死を覚悟した瞬間から頭の中で叫ばれ続ける最後の言葉と想いとは・・・

最近僕が、死を覚悟したときの話をします。
 

それは今からだいたい2か月前のことです。
その日は雨がかなり強くて、ザザザザザーっと途切れなく、
まさに「土砂降り」というような雨が降る日でした。
 

僕はどこかを目指してバスに乗っていたのですが、
次から次へと勢いよく窓に当たる雨のせいで
外がぼんやりとしか見えないほど降っていました。
 

そのバスは、観光バスみたいな結構大きめのバスで、
席もほとんどが埋まっていてほぼ満員という感じでした。
 

 

しばらくの間、普通にバスに乗っていると急に、
バスが縦に、横に、と大きく揺れ始めました。
そのせいで僕の体も大きく揺さぶられて、
乗客の人もみんな、次々に叫び始めているのが聞こえて、
 

「これはマジでやばいんじゃないか・・・?」と
 

今までにないくらいの不安と恐怖という感情で心臓が一気にきつく
しめつけられて、バクバク、バクバクと心臓の音が
早くなって苦しかったことを覚えています。
 

バス自体が蛇行運転しているわけでも、
道路に段差があるわけでも無かったので、
今思うと、たぶん大きな地震だったのかなと思います。
 
 

数秒間、大きく揺れた後に、なぜかは分かりませんが
急に目の前が真っ暗になりました。
薄暗いとかのレベルではなく、本当に真っ暗闇で、
何もかも見えませんでした。
 

ただでさえ不安と恐怖でどうにかなってしまいそうなのに、
何も見えなくなって、もう何が何だか分からなくなりましたが、
 

真っ暗になった直後に今度は、
体がグルグル、グルグルと徐々にスピードを上げながら
回転しているような感覚が訪れました。
 

真っ暗なので、周りがどうなっているか全く分かりません。
もう体の感覚と思考だけしかありませんでした。
 

そして、回転するスピードが通常では
あり得ないくらいの速さになって、
恐怖の許容量をはるかに超えてきて、
心臓がわけのわからないくらいバクバクしてきたぐらいで、
 

急に一瞬だけ、頭の中だけすごく落ち着いた感じになって、
 

「ああ、もう死ぬんだな・・・」
 

と、悟ったかのように自分の死が近いことを理解しました。
この瞬間だけは何もかも静かになって
思考がクリアになった事が、今になっても不思議です。
 

そして、あり得ないくらいの速さを超えた
もっとあり得ないくらいの回転スピードになって、
次の瞬間の死を覚悟したとき、
 

「みんな、マジありがとう!!!」
 

というような感謝の言葉ばかりが、頭の中で
何度も叫ばれました。本当にそれだけでした。
 
 

口では叫び声をあげ、頭の中では感謝を叫んでいましたが、
次の瞬間、自分の叫び声と心臓の鼓動の激しさと共に
飛び上がるように布団の中から起き上がりました。
 

実は、この死を覚悟した話は夢の中の話だったんです。
 

起きる瞬間からしばらく時間がたつまで、
心臓がバクバクして声が混ざった荒い息が続いて
苦しかったことを覚えています。
 

とてもリアリティがあって、長い夢でした。
本当の本当に死ぬ瞬間まで起きませんでした。
 

普段だったら、夢は起きてすぐに忘れてしまうのですが、
この夢だけは衝撃的で今でも鮮明に覚えています。
 

次の瞬間の死を覚悟したあとに、頭の中で何度も何度も
叫び続けた「感謝」という暖かい感情は
目が覚めてからも、しっかりと残っていました。
 
 

たぶん僕は、これから何度死を覚悟する場面が
あったとしても、最後の最後には「感謝」という
感情だけが頭の中で叫ばれるんだろうなと思いました。
 

もうそんな場面は絶対に来て欲しくないですがねぇ・・・。